日本の演劇史・声優史を紐解く上で、劇団青年座を中心とする新劇の潮流は避けて通れない。名優・納谷六朗をはじめとする演劇人たちが情熱を注いだ舞台の空気感は、彼女のキャリアにも色濃く影を落としている。
昭和から平成、そして現代へと続く演劇界の伝統。生前の納谷六朗が魅せた味わい深い演技と、演技に対する真摯な姿勢は、家族や周りの関係者へ脈々と受け継がれてきた。舞台芸術への深い理解があったからこそ、声優たちの繊細な演技の機微を理解し、寄り添うことができたのだと言える。
血脈と志の継承。それは単なる血縁関係にとどまらず、文化を後世へ紡ぐという大きな使命感となって結実している。