「先週作成したはずの請求書を開いたら、作成日が今日の日付に変わっていた」「過去の日報の日付がすべて上書きされてしまった」というトラブル相談は、大手Q&Aサイトや社内ヘルプデスクでも年間を通じて絶えません。この現象が発生する決定的な理由は、TODAY関数やNOW関数 日時自動表示が持つ「揮発性関数(Volatile Function)」という基本仕様にあります。
TODAY関数は、ファイルを開いた瞬間や何らかのセルを再計算したタイミングで、パソコンのシステムクロックから現在日付を再取得して画面を書き換えます。つまり、「今日の日付を常にリアルタイム表示したいダッシュボード」には最適ですが、「過去の特定日を証跡として保存する帳票」に入力すると、日付が変わる理由と対処法を理解していない限り、過去データが永久に失われるリスクを抱えることになります。
業務で求められる日付処理は、大きく分けて「常に最新日を表示し続けたいケース(動的表示)」と「入力した瞬間の日付を二度と動かしたくないケース(静的固定)」の2種類が存在します。この根本的な違いを認識せずに関数任せにすることが、現場の混乱を招く最大の要因です。