「馬のイラストを描こうとすると、どうしても顔が長くなってロバや犬のようになってしまう」という声は、イラスト初心者から頻繁に聞かれます。ネット上の簡易メイキングでは「馬は耳を尖らせてタテガミを描けば馬に見える」と解説されがちですが、これは典型的な誤解です。
実物の馬は、目の位置が側面にあり、マズル(鼻口部)が前方へ長く突出しています。この生物学的特徴をそのまま平面に落とし込むと、どうしても写実的で堅い印象になってしまいます。一方、愛される「ゆるかわ」表現を成立させるには、以下の3つの大胆なデフォルメが不可欠です。
- マズルの圧縮:顔の縦横比を1:1に近づけ、鼻先を丸く短く設計する。
- 目の配置とサイズ:側面ではなく正面寄りに配置し、頭部の中央よりやや下部に大きめの黒目を置く。
- 首と胴体の太さ調整:筋肉質な筋を排し、モチモチとした円筒形やピーナッツ型に単純化する。
骨格のリアリティをあえて「捨てる」勇気を持つことこそが、老若男女に親しまれるキャラクター造形の決定的な分岐点となります。