「ほのいかづちのかみ」を表記する際、最も一般的に用いられる漢字表記は「火雷神」または「火雷大神」です。読み方は歴史的仮名遣いや神道儀礼における宣命の読みによって「ほのいかづちのかみ」「ほのいかずちのかみ」、あるいは音読みで「からいしん」「からいだいじん」と呼称されるケースも見られます。
語源の構成要素を分解すると、古代日本語の構造が鮮明に浮かび上がります。
「ほ(火)」は文字通り燃え盛る炎や光を意味し、「いかづち(雷)」は「厳つ霊(いかつち=荒々しく恐ろしい霊力)」に由来します。古代の日本列島において、雷は天空から閃光とともに大地を撃ち抜き、火災をもたらす凄まじい自然の脅威でした。同時に、雷鳴が轟く時期は作物の実りを促す雨をもたらす恵みでもあったため、「破壊的な雷火の猛威」と「生命を育む天の力」という二面性を併せ持つ神格として「火雷神」の名が定着したと日本神話研究者らの分析でも指摘されています。