昭和30〜40年代の高度経済成長期に建てられた日本全国のモダニズム建築が次々と姿を消す中、中産連ビルにも「解体・建て替え」の憶測が流れた時期がありました。特に2010年代後半から2026年代初頭にかけては、旧耐震基準(1981年以前)で建設された大型ビルに対する維持管理コストや耐震安全性の懸念が表面化し、建築関係者の間でも保存運動の機運が高まりました。
DOCOMOMO Japan(近代運動に関する名建築の記録と保存調査を行う国際学術組織)選定建築物にも名を連ねる同ビルに対し、日本建築学会各支部や有志団体からは保存要望書が提出されるなど、その動向は全国的な注目を集めました。所有者である一般社団法人中部産業連盟は、単なるスクラップ&ビルドを選択せず、歴史的意匠を可能な限り損なわない形での耐震改修工事と設備更新を実施。これにより、貴重な昭和の造形美を保ったまま安全基準をクリアし、2026年の現在も研修事業や貸会議室としてフル稼働を続けています。