物語の舞台は、太平洋戦争へと突き進む昭和初期の農村。中国戦線へ出征した久蔵(大西信満)は、敵の砲撃によって両手両足を切断され、顔面の半分を火傷で焼かれ、聴覚と発話能力を失った異形の姿となって村へ戻ってきます。国家は彼を名誉ある傷痍軍人「生ける軍神」として称賛し、金鵄勲章を授与。妻のシゲ子(寺島しのぶ)には「軍神を支える名誉の妻」として献身的な介護を強いられます。
英雄として村人から崇め奉られる久蔵ですが、その実態は食事と排泄、そして異常なまでの性欲に突き動かされるだけの肉塊でした。かつて村にいた頃は粗暴で、シゲ子に日常的な暴力を振るっていた久蔵。言葉を発せない彼は、残された頭部を激しく床に打ち付けることでシゲ子に夜の営みを要求し、シゲ子は逃れられない義務感と世間の同調圧力から、夜な夜な夫の獣のような要求を受け入れ続けます。
やがて、シゲ子の心境に大きな変化が訪れます。四肢がなく自力では何もできない夫に対し、食事を与え、身体を拭き、生殺与奪の権を握っているのは自分自身であるという事実に気づいたのです。かつての暴力夫への恐怖は薄れ、シゲ子は久蔵を折檻したり、村の男たちと戯れて嫉妬を煽ったりと、夫婦の力関係は次第に逆転していきます。しかし、どれほど夫を支配下に置こうとも、「軍神の妻」という国家の呪縛からは一歩も逃れられない現実に、シゲ子は精神的に追い詰められていきます。
戦況が悪化の一途をたどる中、久蔵の脳裏には中国大陸で自らが行った残虐行為――無抵抗な女性を強姦し、罪のない民間人を虐殺した生々しい記憶――がフラッシュバックとして甦り始めます。軍神という虚飾の裏側に隠された「加害者としての罪」に苛まれ、久蔵は夜ごと恐怖に震え、涙を流すようになります。 (出典: キャタピラー 映画 ネタバレ(Yahoo!ニュース))
そして
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