足を踏み入れた瞬間に広がる、静謐でありながら圧倒的な生命力を放つ空間。この教会を手がけたのは、フランク・ロイド・ライトの愛弟子であり、アメリカのオーガニック建築(有機的建築)を代表する巨匠ケンドリック・ケロッグ(Kendrick Kellogg)です。
ケロッグが設計の核に据えたのは、明治・大正期の思想家・内村鑑三が唱えた「無教会主義」でした。形式や教義に縛られず、「神が創造した大自然すべてが祈りの場である」という思想を具現化するため、天然の石とガラスを幾重にも重ねたアーチ構造が設計されました。
教会内部は、東から西へと太陽の軌道に合わせて計算されたガラス天窓から自然光が降り注ぎ、壁面を伝う清らかな水音と緑の息吹が満ちています。地下の資料館から緩やかな石の回廊を抜けて礼拝堂へと至るアプローチは、心理学的に「胎内から光あふれる地上への再生」を体感させる空間構造となっており、訪れる者の心を深く揺さぶります。