ネット上の感想では「紗絵子はただの悪女」と断じる向きが多い。しかし、この見方は本作の本質を見誤っている。
紗絵子の行動をよく観察すると、彼女は「誰かに選ばれることで自分の価値を確認する」という行動様式を持っている。夫・高橋誠(水沢エレナの兄という設定はドラマ独自のアレンジ)との結婚生活が冷え切っていたこともあり、彼女は自分の魅力を試す相手として爽太を利用する。だが、これは意図的な「ハニートラップ」というより、自己肯定感の低さの裏返しとして描かれている節がある。
心理学の観点から言えば、紗絵子の行動は「承認欲求の外部依存」であり、爽太の行動は「恋愛対象への理想化と執着」である。どちらも健全な関係性とは言えないが、一方的に紗絵子を責めるのは公平ではないだろう。この複層性こそが、本作が単なるラブコメで終わらない理由だ。