父は「相撲巧者」として鳴らした元関脇・鶴ヶ嶺(先代井筒親方)。その血を受け継いだ長男・鶴嶺山、次男・逆鉾、三男・寺尾の三人は、相撲界において比類なき存在感を放ちました。とりわけ逆鉾と寺尾の二人は、揃って関脇まで駆け上がり、1980年代から1990年代の大相撲ブームを牽引しました。
兄の逆鉾は、もろ差しからの力強い寄りや鋭い攻めで知られ、土俵上での堂々たる風格と勝負強さで三賞を9回獲得するなど、井筒部屋の看板力士として君臨しました。
一方、弟の寺尾は引き締まった身体と彫りの深いマスクから「角界の貴公子」と称され、女性ファンを中心に絶大な人気を獲得しました。軽量ながら回転の速い強烈な突っ張りを武器に、横綱・千代の富士ら巨漢力士たちにも一歩も引かずに挑み続ける気迫の相撲を展開。通算連続出場1063回、幕内通算出場1378回という驚異的な鉄人ぶりを誇り、大相撲の昭和・平成期を代表する名力士として歴史に名を刻みました。