木戸泉酒造の名を世界に轟かせている2大巨頭が、革新的な酸を持つ銘柄「AFS(アフス)」と、蔵内に眠る膨大な「ヴィンテージ古酒」です。
「AFS(アフス)」は、1970年代に日本醸造協会の安達貞夫氏、東京国税局鑑定官室の古川久夫氏、そして木戸泉3代目・荘司久仁雄氏の3人の研究者・醸造家によって共同開発されました。名前の由来は、開発に携わった3人の頭文字(Adachi, Furukawa, Shoji)を冠したものです。
最大の特徴は、日本酒の伝統である「三段仕込み」を行わず、酒母の段階で米・米麹・水を一度に仕込んで発酵を完了させる「一段仕込み」を採用している点にあります。一般的な日本酒の数倍に達する酸度と濃厚なエキス分が調和し、柑橘類を思わせるジューシーな酸味と貴腐ワインのような甘みが交錯する味わいは、従来の日本酒の既成概念を粉々に打ち砕くインパクトを持ちます。
一方、木戸泉が誇る長期熟成ヴィンテージ古酒は、高温山廃仕込みによる強固な酒質基盤があるからこそ成立する至高の芸術です。1970年代からタンクや瓶で常温熟成され続けている「古久(こきゅう)」をはじめとするヴィンテージ群は、ドライフルーツやシェリー酒、ナッツを思わせる重層的な香りと、角が取れて円熟した極上の旨味を湛えています。