「そもそも、なぜオフサイドという面倒なルールが存在するのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。その理由は、「ゴール前での単なる待ち伏せ(張り付き)」を防ぎ、魅力的なチームスポーツとしてのダイナミズムを担保するためです。
もしオフサイドが存在しなければ、攻撃側は屈強なFWを相手ゴール前に常駐させ、自陣からひたすらロングボールを放り込むだけの単調なゲームになってしまいます。それでは中盤での緻密なパスワークや、組織的なプレス、スピーディーな攻防といったサッカーの醍醐味が完全に失われてしまいます。
サッカー競技規則を司るIFAB(国際サッカー評議会)の歴史を紐解くと、19世紀の創成期は「ボールより前にいる選手全員がオフサイド」というラグビーに近い極めて厳格なルールでした。その後、1925年に「相手競技者3人」から「2人」へと緩和され、ゴール数が劇的に増加。1990年には「相手DFと同列はオンサイド(反則ではない)」と改定され、常に「攻撃側の創造性と守備側の統率力」のバランスを取りながら進化を続けてきました。