物語のグランドフィナーレとなる原作第50巻の最終回において、大江奏が選んだ未来は極めて芯の通ったものでした。
高校卒業後、かなちゃんは大学の文学部(国文学専攻)へと進学します。百人一首や平安文学の研究を深めながら、全日本かるた協会が認定する最高位の読手である「専任読手」への昇格を目標に、厳しい指導と選考試験に挑み続ける日々を送っています。
専任読手とは、名人位・クイーン位決定戦をはじめとする最高峰の公式戦でのみ詠むことが許される、全国でもわずか数名しか存在しないスペシャリストの称号です。千早がクイーン位を目指して盤上で戦い続けるように、かなちゃんは「声」と「和歌の心」でかるた界の最高峰に立つことを目指しています。選手を引退するのではなく、選手としての息遣いを知る読手として次代へ伝統を受け継ぐその姿は、作品のテーマである「継承」を完璧に体現しています。