木竜麻生のキャリアを語る上で欠かせないのが、2018年に打ち立てた偉業です。同年に公開された瀬々敬久監督の『菊とギロチン』、そして野尻克己監督の『鈴木家の嘘』という2本の傑作映画でヒロインを務め、日本映画界の主要新人賞を独占しました。
『鈴木家の嘘』では、兄の突然の自死に直面し、悲痛な葛藤を抱えながら家族の嘘に付き合う妹・富美役を熱演。当時のインタビューで彼女は「自分自身を削りながら、嘘のない感情をカメラの前で差し出すことの恐怖と歓び」について率直に語っており、その妥協なき演技姿勢は多くの監督やプロデューサーを唸らせました。
その後も活躍の場は広がり続け、ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(関西テレビ/フジテレビ系)をはじめ、映画『福田村事件』『ヘルドッグス』『わたし達はおとな』など、骨太な社会派エンターテインメントから繊細なインディペンデント作品まで幅広く出演。2026年現在に至るまで、単なるヒロイン枠にとどまらず、物語のリアリティを根底から支えるキーパーソンとして映像界に不可欠な存在となっています。