ネット上やSNSコミュニティで頻繁に話題に上る「バストアップ食品」には、科学的な根拠が希薄なものや、極端な摂取によって健康被害を招くリスクが潜むものが少なくありません。代表的な2つの噂について、事実関係を検証します。
大豆イソフラボンの効果と真相
「豆乳を毎日1リットル飲むと胸が大きくなる」という言説が広まった背景には、大豆イソフラボンがエストロゲンと似た化学構造(植物性エストロゲン)を持つ点にあります。大豆イソフラボンは体内のエストロゲン受容体に弱く結合するため、ホルモンバランスをサポートする働きが期待されます。しかし、思春期の未成熟な内分泌系に対してイソフラボンを過剰に流し込むと、本来分泌されるべき自前のホルモン分泌リズムを乱す恐れがあります。内閣府食品安全委員会のガイドラインでも、サプリメント等による過剰摂取には注意喚起がなされており、通常の食事(納豆1パック、豆腐半丁程度)から摂取するのが安全かつ有効です。
キャベツに含まれるボロン(ホウ素)の噂の理由
キャベツやリンゴ、ナッツ類に含まれる微量ミネラル「ボロン」は、血中エストロゲン濃度をわずかに高める可能性があるという海外の小規模研究が発端となり、バストアップ食材として持て囃されるようになりました。しかし、これらの研究の多くは閉経後の成人女性を対象としたものであり、成長期の子供において「キャベツを食べれば胸が大きくなる」という直接的な臨床データは存在しません。また、ボロンは熱に弱いため生食が推奨されがちですが、冷たい生キャベツを大量に食べ過ぎると胃腸を冷やし、消化吸収機能を低下させる原因にもなり得ます。