ネット検索やSNSの掲示板で「レースカーディガン 流行り」と検索すると、一部で「ダサい」「昔っぽい」といったネガティブなサジェストが目につくことがあります。なぜこのようなイメージの乖離が生まれるのでしょうか。ファッション誌編集部の現場リサーチと流通データの双方から検証すると、大きな構造的背景が浮かび上がります。
かつて2000年代初頭に大流行した「身体にタイトにフィットする小花柄の総レースカーディガン」や「フリルが過剰にあしらわれたボレロ」の記憶が、消費者の脳裏に強く焼き付いていることが原因のひとつです。当時のコンサバティブ直球のスタイリングをそのまま再現してしまうと、どうしても平成初期の空気感や古さを醸し出してしまいます。
一方で、現在の主要アパレル各社が打ち出しているのは、リラクシーなドロップショルダーや、クラフト感あふれる幾何学調の編地、繊細なシアー素材を活かした透け感レース羽織りです。ECプラットフォームの検索データを見ても、GUやユニクロといったファストファッションから百貨店系ブランドに至るまで、実用性とトレンド性を兼ね備えた羽織りアイテムとして確固たるポジションを築いています。「古い」のではなく、「昔の文脈のまま着るとズレが生じる」というのが真相です。