フェラーリが四次方程式を制覇した後、数学者たちの関心は当然「5次方程式の解の公式」へと向かいました。オイラーやラグランジュといった天才たちが250年以上にわたり挑戦を続けましたが、誰一人として公式を見つけることはできませんでした。
この長きにわたる挑戦に終止符を打ったのが、ノルウェーの若き天才ニールス・アーベルとパオロ・ルフィニです。彼らは1824年、「5次以上の一般的な代数方程式には、四則演算とべき根だけで表せる解の公式は存在しない(アーベル・ルフィニの定理)」ことを証明しました。
さらにフランスの天才数学者エヴァリスト・ガロアは、解の入れ替え(置換)が持つ対称性に着目した「ガロア理論」を構築しました。ガロアは方程式の構造を「群(ぐん)」という概念で捉え、方程式が代数的に解けるための条件が「対応するガロア群が『可解群』であること」を明らかにしました。4次以下の対称群($S_2, S_3, S_4$)は可解群ですが、5次以上の対称群($S_5$ 以上)は非可解となるため、公式が存在し得ないという構造的必然性が証明されたのです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
四次方程式の解の公式を巡る学びにおいて、学習者がどのようなスタンスを取るべきかの明確な判断基準を提示します。
- フェラーリの解法を学ぶのが向いている人:
- 数学の構造美や「次数を下げる(問題を還元する)」論理的思考力を養いたい人
- 高校数学の因数分解や平方完成の真の威力を体感したい人
- 群論やガロア理論などの大学現代数学への足がかりを掴みたい学習者
- 公式の学習に慎重になるべき(深入りを避けるべき)人:
- 受験直前期で、即効性のある得点力アップのみを必要としている受験生(因数定理や複2次式の解法に集中すべき)
- 数式の丸暗記によって数学を乗り切ろうとする傾向がある人(公式暗記は挫折の原因になる)