実際に曽祖父母に外国ルーツを持つワンエイスの当事者たちは、日常生活で自らのアイデンティティをどのように捉えているのでしょうか。取材やSNS上の当事者の声、コミュニティの証言を追うと、ハーフやクォーターとは異なる「ワンエイス特有の複雑な心理」が浮かび上がってきます。
民間のカルチャー調査やネット上のリアルな告白手記では、次のような体験談が多く語られています。
「外見が完全に日本人なので、自分から言わない限り誰にも気づかれない。小学生の頃に親から『実はひいおじいちゃんがロシア人なんだよ』と聞かされた時は特別な秘密を知ったようでワクワクしたが、大人になって自己紹介で言うと『へえ、でも1/8でしょ?(薄くない?)』と微妙なリアクションをされ、説明が面倒になった」(20代・会社員女性の手記より)
「本人は至って普通の日本人として育っているのに、親戚の集まりで『やっぱり鼻が高いのはワンエイスだからだね』と無理やり理由づけされるのが少し居心地悪かった。誇らしいルーツではあるけれど、他人にラベルとして貼られるのは違和感がある」(30代・クリエイター男性の証言)
日本国内における国際結婚の推移を見ると、厚生労働省の「人口動態統計」では1980年代後半から2000年代にかけて国際婚姻件数が急増しました。当時生まれたハーフ世代が親となり、2020年代半ばから2026年の現在にかけて、ワンエイスの乳幼児や若年層は確実に増加しています。彼らにとって外国のルーツは「珍しいステータス」ではなく、自身の多彩なファミリーストーリーを構成する自然なピースの1つになりつつあります。