コメディ要素が前面に押し出される本作ですが、物語の底流には常に「死」の気配が色濃く漂っています。ファンが最も衝撃を受けた2大ターニングポイントの真相を掘り下げます。
オジーはなぜ殺されたのか?死因と隠された過去の因縁
街のアイドル的存在であり、「朝だよー!」の掛け声で住民たちを目覚めさせていたオジー(古田新太)。彼がドラマ終盤の第7回から第8回にかけて命を落とす展開は、視聴者に強烈なトラウマと悲哀を残しました。
オジーの死因は、木更津の裏社会を仕切るヤクザの幹部・山口先輩(山口智充)に命じられたヒットマンによるピストル射殺です。その引き金となったのは、16年前にオジーと猫田が木更津第二高校野球部員だった時代に結成していた初代怪盗団「猫の目団」の因縁でした。当時、オジーは恋人であった美香(オジーの死後にキャッツが助ける美容師)のために、山口が管理していた暴力団の裏金5000万円を強奪し、隠匿した過去がありました。
出所した山口先輩の執拗な追及からキャッツのメンバーを守り、美香との約束を果たすため、オジーは逃げることなく過去の清算に向き合いました。宮藤官九郎が描いたオジーの死は、キャッツ5人組に対して「大人になることの残酷さ」と「死は誰にでも等しく突然訪れる」という現実を突きつける決定的なトリガーとなったのです。
ぶっさんの結末の真相|ドラマ最終回から映画2作へ続く奇跡
物語の起点である「ぶっさんの余命半年宣告」。ドラマ版の結末において、ぶっさんは本当に命を落としたのかという疑問は、長年ファンの間で議論されてきました。
【ドラマ版の結末:死の回避と奇跡】
ドラマ版の第9回(最終回)では、宣告された半年が経過する冬、ぶっさんは昏睡状態に陥り一度は心肺停止となります。しかし、病室でキャッツの仲間たちが巻き起こす騒動と呼びかけによって、奇跡的に心拍が再開。物語は「余命を過ぎても、ぶっさんはなぜか生きている」という、生への強烈な肯定とともに幕を閉じました。
【映画『日本シリーズ』から『ワールドシリーズ』への完全決着】
2003年公開の映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』では、ドラマから半年後、相変わらず生きていたぶっさんが美礼先生(薬師丸ひろ子)への恋心やニセ札偽造事件に巻き込まれつつ、再び仲間たちと木更津を駆け抜けます。
そして2006年、シリーズの集大成として公開された『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』において、ついに避けて通れない結末が描かれます。ぶっさんはドラマ最終回から3年後、ついに帰らぬ人となっていました。物語はぶっさんの死からさらに3年後、それぞれの道を歩みバラバラになりかけていたバンビたちが、ぶっさんの「ちゃんとサヨナラを言わせる」ための幽霊(または記憶の具現化)との再会を通じて、悲しみを乗り越えて未来へ歩き出す姿を描き切りました。ぶっさんが仲間たちに残した「ばいばい」という言葉は、平成青春ドラマ史における屈指の名シーンとして完結しました。