愛くるしい見た目に反して、アニメ版におけるしっぽは極めて実戦的な凶器でもあった。長年サトシの相棒として戦い抜いたピカチュウの象徴的な技といえば、体を急反転させて鋼鉄化したしっぽを叩きつける「アイアンテール」をおいて他にない。
もともとイワークなどの岩タイプに対抗するため、過酷な特訓の末に習得したこの技は、四足歩行や二足立ちのバランスを取る補助器官に過ぎなかったしっぽを「攻撃の主軸」へと昇華させた。白銀に発光しながら敵を叩き割る演出は、世界中の少年少女を熱狂させた。重心を制御し、打撃の威力を増幅させ、時には避雷針として高圧電流を受け止める。あの平たい稲妻の形状は、バトルアクションの観点からも極めて機能的なデザインだったのだ。