ネット上で今なお批判の槍玉に挙げられる「2023年7月の自民党女性局フランス研修問題」。当時、参加議員がエッフェル塔の前でポーズを取った写真や、観光旅行を想起させる投稿がSNS上で拡散され、党青年局・女性局全体への猛烈な反発を引き起こしました。
この騒動における一般的な誤解として、「全額が血税(公金)で賄われた豪華観光旅行だった」という言説が一人歩きした点が挙げられます。自民党女性局の公表資料および事後報告によると、実際の旅費の大半は党費および参加者個人の自己負担で賄われており、政党助成金が一部含まれるものの、全額公費負担の国会公式海外視察とは会計上の枠組みが異なっていました。
また、現地でのスケジュールには、フランスにおける少子化対策や義務教育の無償化、幼保一体化政策に関する国会議員や行政関係者との意見交換が組み込まれていました。今井氏自身も帰国後、「無駄な支出はない」と主張した背景には、日本の共生社会づくりのヒントを持ち帰るための調査だったという自負があったと推察されます。
しかし、最大の盲点は「国民感情への配慮と情報発信のリテラシーの欠如」にありました。有権者が実質賃金の低下や生活苦にあえぐ中、観光地での華やかなスナップ写真を無邪気にアップロードした行為は、政治的意図がどうであれ致命的なPRの失敗でした。今井氏はその後、政策レポートの公開や被災地での地道な活動を通じて信頼回復に努めていますが、デジタルタトゥーとして刻まれたこの教訓は、タレント政治家が背負うリスクマネジメントの重さを示しています。