三林京子のキャリアを語る上で、最大の転機となったのが1997年、46歳での落語界入門です。すでに押しも押されもせぬ大女優としての地位を築いていた彼女が、上方落語の巨匠・二代目桂枝雀の門を叩いた出来事は、当時の東西芸能界に大きな衝撃を与えました。
弟子入りに際し、彼女は有名女優としての特権を完全に捨て去り、前座修行からやり直す姿勢を見せました。高座名「桂すずめ」を授かり、入門から四半世紀以上が経過した現在、彼女を高座にかける上方落語ファンから「単なるタレント落語家」とみなす声は皆無です。現場の寄席に通う演芸評論家や観客からは、以下のような高い評価が寄せられています。
「女優ならではの緻密な情景描写と登場人物の演じ分けがずば抜けている。特に大阪言葉の柔らかいニュアンスと、上方落語の真骨頂である人情噺の情感は、男性落語家では出せない色気と深みがある」(演芸誌ライター談)
SNSや落語ファンの口コミでも、「桂すずめの落語を聴くと、昭和の上方の町並みが鮮やかに浮かび上がる」「三林京子と知らずに聴いて引き込まれ、後から大女優だと知って仰天した」という書き込みが多数見受けられます。二足の草鞋ではなく、両方の芸道で超一流を極めた稀有な表現者であることが、実態検証からも浮き彫りになっています。