「蘭の花が終わったら、どこから手をつけていいかわからない」という相談が園芸店やネットのコミュニティに毎日のように寄せられます。最も多い誤解が、花が落ちて緑の葉と根だけになった姿を見て「枯れた」と判断し、ゴミ箱へ直行させてしまうケースです。しかし、植物生理学的に見れば、花を落とした後の蘭は、次の世代の花芽を作るためのエネルギー蓄積期間に入ったに過ぎません。
花が最後の1〜2輪になった段階、あるいはすべて落ちきった直後に最初に行うべきは、「受粉・種子づくりに回される無駄なエネルギー消費を即座にストップさせること」です。花を残したまま放置すると、株は養分を使い果たして衰弱し、翌年の開花率が著しく低下します。
まず準備するものは、清潔な園芸用ハサミです。蘭はウイルス病(オルキス・スペックルウイルスなど)に非常に敏感なため、ハサミの刃先をコンロの火で数秒炙るか、消毒用エタノールやキッチン用塩素系漂白剤の希釈液でしっかりと殺菌してから作業に入ります。この小さなひと手間を怠らないことが、株を長持ちさせる最初の絶対条件です。