2007年の結成以来、16年以上にわたって第一線を走ってきた尼神インターが2024年3月末をもって解散を発表した際、お笑い界とファンの間には大きな衝撃が走りました。ネット上では「激しい不仲が原因ではないか」という憶測が飛び交いましたが、実態はより深く構造的なものでした。
関係者の証言や本人が手記・インタビューで語った言葉を総合すると、解散の決定打となったのは「表現者としての根本的な方向性と価値観の違い」です。
かつてのバラエティ番組において、誠子は「容姿をいじられるブスキャラ」や「痛い勘違い女子」を演じることで笑いを生み出してきました。しかし30代半ばを迎え、時代がコンプライアンスやルッキズム(外見至上主義)の見直しへとシフトする中で、誠子自身の中に「自分を傷つけ、卑下することで笑いを取るスタイル」に対する強い違和感が生じるようになりました。
一方で、相方の渚(現在は「鹿島渚」名義などで活動)は、現場主義を貫き、泥臭くお笑い芸人としての道を突き進む姿勢を一貫して崩しませんでした。渚は吉本興業に残り、ピン芸人として劇場やロケ番組、ドラマ出演など多方面でその鋭い個性を発揮しています。
手記の中で誠子は、渚に対して「お互いが本当にやりたいことを尊重した結果の選択であり、感謝しかない」と語っています。長年連れ添ったコンビだからこそ、お互いの人生を縛り合わず、それぞれの進むべき道を歩むための前向きな発展的解消であったと言えます。