ネット上のQ&Aサイトなどでは、「Wordのセクション区切りを使えば、1ページ目だけ表紙にして2ページ目から原稿用紙設定にできる」という情報が散見されますが、これは明確な誤りです。
公式の原稿用紙アドインは、ドキュメント全体のテンプレートレベルでオーバーレイをかける設計になっています。そのため、途中にセクション区切りを挿入しても、全ページにマス目が強制適用されるか、もしくは設定自体がクラッシュして文字がすべて左上に凝縮するバグを誘発します。
文芸公募や論文で「表紙+原稿用紙本文」を求められた場合の現場の正解は、以下の2つの手法しかありません。
第1の方法は、「表紙用ファイル」と「原稿用紙本文ファイル」を完全に分割して作成し、最後にPDF結合ツールで1つのファイルに統合する手法です。商業出版の現場でも、カバー・扉・本文を別ファイルで管理するのは鉄則であり、これが最もデータ破損のリスクがない堅牢な方法です。
第2の方法は、原稿用紙設定の1枚目をそのまま表紙として流用し、1行目に作品タイトル、3行目にペンネーム、4行目以降を空白にして次のページから本文を開始する、伝統的な原稿用紙の書き方を踏襲することです。この場合、ページ番号が1ページ目からカウントされてしまうため、「原稿用紙設定」ダイアログ内の「ページ番号」チェックを外し、別途フッターから「開始番号」をカスタマイズする手順が求められます。