高松市美術館が全国の美術館ファンから熱烈な支持を受ける最大の理由は、約1,700点以上におよぶ圧倒的な質のコレクション展(所蔵品展)にあります。同館の収集方針は明確で、「1945年以降の日本の現代美術」「20世紀以降の世界の美術」「香川の美術(讃岐漆芸・金工など)」の3本柱で構成されています。
なかでも「具体美術協会」や「もの派」といった日本現代美術史の金字塔となる作品群は圧巻の充実度です。さらに見逃せないのが、人間国宝を多数輩出してきた讃岐漆芸の展示です。玉楮象谷(たまかじ ぞうこく)から始まる彫漆・蒟醤(きんま)・存星(ぞんせい)の超絶技巧は、漆という素材の固定観念を覆す鮮やかさと緻密さを誇ります。洗練された現代美術と深遠な漆芸がひとつの館内で共鳴し合う空間構成は、まさに高松市美術館ならではの決定的な鑑賞体験といえます。