バターチキンカレーの主役である鶏肉の食感は、仕上がりの満足度を大きく左右します。スープの中でパサパサになってしまった鶏肉ほど興ざめなものはありません。ジューシーさを限界まで閉じ込めるプロの技術が、鶏もも肉 ヨーグルト漬け込みのマリネ工程です。
プレーンヨーグルトに含まれる乳酸には、肉の筋繊維を適度にほぐし、タンパク質の間隙に水分を抱え込ませる優れた保水効果があります。ここにすりおろしたニンニク、ショウガ、ターメリック、パプリカパウダー、塩を一緒に揉み込み、最低30分、理想的には一晩(約8時間)冷蔵庫で寝かせます。
ここで重要な現場テクニックは、漬け込んだ鶏肉をカレーソースの中で煮込まず、フライパンやオーブンで表面にしっかり焦げ目がつくまで強火で別焼きすることです。この「タンドリーチキン」に近い香ばしいメイラード反応の焦げ目が、ソースに溶け出すことで味に立体的な奥行きをもたらします。