歴史の転換点となったのは、2014年2月19日の深夜に起きた電撃的なクーデター劇でした。当時、2ちゃんねるのサーバー管理を担当していた米国在住のジム・ワトキンス(Jim Watkins)氏が、突如としてひろゆき氏を含む従前の運営陣をサーバーから締め出し、自らが実質的な管理者となったことを一方的に宣言しました。
この2ちゃんねる乗っ取り事件の真相について、両者の主張は完全に食い違っています。
- ジム・ワトキンス氏側の主張:ひろゆき氏側からのサーバー管理費用の支払いが滞っており、財政危機を回避するための正当な権利行使であった。
- 西村博之(ひろゆき)氏側の主張:サーバー費用は正規に支払われており、管理権限を悪用した違法な乗っ取り(サーバーホスティング契約の債務不履行)である。
事件直後、ひろゆき氏は自らのブログや当時の特番インタビューにおいて「サーバーの管理会社にサーバーを乗っ取られた」と生々しく告発。対抗措置として、すべてのログを複写(スクレイピング)する形で新サイト「2ch.sc」を開設し、泥沼の2ちゃんねる分裂の経緯が幕を開けました。その後、WIPO(世界知的所有権機関)におけるドメイン所有権をめぐる調停や、東京地方裁判所での損害賠償請求訴訟など、日米を股にかけた激しい司法闘争へと発展していきました。