演出の変化が最も如実に現れたのが、番組の象徴的コーナーであるチャリティーマラソンです。かつてのマラソンといえば、炎天下の長距離走行によってタレントを極限まで追い込み、武道館へのゴール直前で放送終了を迎えて『サライ』を大合唱するという、感情の昂ぶりを狙った定型パターンが定着していました。
しかし、近年の猛暑による熱中症リスクの深刻化や、過度な精神論・根性論に対する視聴者の拒絶反応を受け、チャリティーマラソンの変更点は安全管理と目的意識の面で大幅に刷新されました。その象徴となったのが、2024年のランナーを務めたお笑い芸人・やす子さんによるチャリティーマラソンです。
高校時代に児童養護施設で過ごした経験を持つやす子さんは、自らの走りを「全国の児童養護施設への募金(マラソン児童養護施設募金)」と直結させました。単に「走って感動を与える」のではなく、「何のために走り、集まったお金がどこへ届くのか」という使途をランナー自身が明示する形式を採用したのです。さらに台風接近という悪天候に見舞われた際も、無理な公道走行を避け、日産スタジアムの周回コースへ柔軟に切り替えるなど、安全第一の危機管理体制が徹底されました。歴代の無理を強いる走行スタイルからの決別は、視聴者層に好意的な驚きを与えました。