そもそも、チャリティを標榜する番組でなぜ民放がこれほどの利益を上げるのでしょうか。その理由は、日本の民間放送局が置かれた制度的枠組みと日本テレビの収益構造にあります。
英国のBBCが放送する『Children in Need』のように、公共放送が公的資金や受信料を財源としてノーCM・出演者完全無償で制作するチャリティ番組とは異なり、日本テレビは営利企業である民間商業放送局です。日本の電波法および放送法に基づき、事業運営は民間企業からの広告料によって成立しています。局側の論理としては、「莫大な制作費と中継体制を組むための電波料・制作費は、一般のスポンサー企業からの広告料で賄わなければ番組自体が成立しない」という建前が存在します。
しかし問題は、「24時間テレビの利益はどこへ行くのか」という点です。公益財団法人「24時間テレビチャリティー委員会」にプールされるのは、全国の街頭やネット経由で視聴者から集まった「募金」のみです。広告主から日本テレビに支払われた20億円以上の広告収入から番組制作費を差し引いた「差額の純利益(約10億〜15億円)」は、日本テレビ本体の営業利益・売上高として計上され、局の株主配当や社員の給与、他番組の制作原資へと消えていきます。
この「善意を集める枠組みを利用して、民間放送局が単独で億単位の商業的黒字を叩き出している」という二重構造こそが、長年にわたってネットやメディア批評で「偽善ビジネス」と批判され続ける構造的原因です。