「ちょ、待てよ」というフレーズの直接的な発祥源として確証が得られているのが、1997年10月クールにフジテレビ系列の月9枠で放送され、全話平均視聴率30.8%を記録したメガヒットドラマ『ラブジェネレーション』です。木村拓哉演じる広告代理店クリエイターの片桐哲平と、松たか子演じるヒロイン・上杉理子の不器用な恋愛模様を描いた本作において、決定的な場面が存在します。
問題のシーンは、1997年11月10日に放送された第5話の終盤です。哲平の過去の思い人であるさなえ(純名里沙)を巡り、理子の感情が激しく揺れ動いて哲平の部屋を飛び出そうとする緊迫したシチュエーション。部屋の外へ立ち去ろうとする理子の腕を掴もうと追いかけながら、哲平が焦燥感たっぷりに投げかけた言葉こそが「理子、待てよ!」「……ちょっ、待てよ!」という掛け合いでした。
映像を精査すると、ものまねで誇張されるような力みきった大声ではなく、恋人を引き留めたい青年の切迫した心情がリアルに滲み出るトーンで発せられています。このシーンの熱量が、当時テレビに食い入るように観ていた視聴者、そして若手時代のホリの記憶に鮮烈に刻み込まれました。
一方で、2001年に放送され社会現象となったドラマ『HERO』で演じた型破りな検事・久利生公平のセリフと混同されるケースも後を絶ちません。『HERO』劇中でも久利生は捜査関係者や事務官の雨宮舞子(松たか子)に対して「待てよ」「ちょっと待ってくださいよ」といったフレーズを頻繁に使っています。しかし、濁音混じりに「ちょ、待てよ!」と言い放つ代名詞的イントネーションの純粋な原典は、疑いなく『ラブジェネレーション』の片桐哲平にあります。