読者の多くに強烈な衝撃を与えたのが、無一郎の身体が腰のあたりから真っ二つに切断される過酷な描写です。「なぜそこまでして戦い続けたのか」という問いに対し、作中の行動は明確な答えを示しています。
無一郎は、自分に残された時間が秒単位であることを完全に悟っていました。失血死が不可避となった極限状態において、彼が選んだのは「生存」ではなく「仲間に勝機を渡すこと」でした。切断された瞬間も柄を握りしめ、心臓を直接貫く位置へと刀を押し込み続けたのです。
その凄まじい執念が引き起こしたのが、日輪刀の「赫刀(かくとう)化」でした。万死に値する激痛の中で無一郎が発揮した握力と体温の上昇は、刃を赤く染め上げました。この赫刀は、驚異的な再生能力を誇る上弦の壱の内臓を内部から灼き尽くし、細胞の再生を著しく阻害。悲鳴嶼と実弥が黒死牟の首を落とすための絶対的な隙を生み出す要因となりました。命の終わりを目前にしながら、自分の肉体を捨て石にして鬼殺隊の千年の悲願に捧げた行動こそ、霞柱の真骨頂でした。