首の病変を除去するアプローチには、主に「炭酸ガスレーザー」「切開縫合法」「くり抜き法」の3種類が存在します。どの手法を選択するかによって、術後の傷跡の形態やほくろ除去ダウンタイムの期間、そして最終的な満足度が劇的に変わります。
平坦またはわずかに盛り上がった直径3mm未満の小さなほくろに対して第一選択となるのが、炭酸ガスレーザー除去です。波長10,600nmの赤外線レーザー光が組織の水分に反応し、周囲の正常組織への熱損傷を極力抑えながら病変を瞬時に蒸散させます。出血がほとんどなく、傷口を糸で縫い合わせないため、施術直後は浅い擦り傷のような状態になります。通常、1〜2週間ほどハイドロコロイドテープなどの被覆材で保護することで、皮膚の上皮化が完了します。
直径5mmを超える大きなほくろや、皮下深くまで母斑細胞(ほくろの細胞)が浸潤している場合、あるいは病理組織検査が必要なケースでは、ほくろ切開手術が適用されます。メスで紡錘形に皮膚を切り取り、皮下組織と表皮を二層に分けて丁寧に縫合する手技です。首の皮膚は常に伸び縮みするため、皮膚のシワの方向(Langer割線)に沿って切開線をデザインすることが、傷跡を目立たせないための鉄則となります。術後約1週間で抜糸が必要となり、その後は数ヶ月にわたるテーピング固定が推奨されます。
その中間的な手技として用いられるのが「くり抜き法(トレパン法)」です。円形の特殊なメスを用いてほくろの直下をくり抜く手法で、小さな面積であれば縫合せずに自然治癒(二次治癒)を待つ場合もあります。しかし首元においては、開放創のまま治癒させると後述する肥厚性瘢痕(傷が赤く盛り上がること)のリスクが高まるため、症例を慎重に見極める必要があります。
以下の表は、首のほくろ除去における代表的な治療法と、2026年時点における臨床現場での実測データおよび首のほくろ除去費用相場を比較したものです。