この犬種の根底には、意外にも泥臭く逞しい歴史が流れている。19世紀半ば、イギリス北部のヨークシャー州において、労働者階級の家々を荒らすネズミを駆除するために作られたのが始まりだ。当時から発揮されていた並外れた勇敢さと敏捷性は、現代の個体にも脈々と受け継がれている。
やがてその気品ある容姿が上流階級の目に留まり、最高の愛玩犬としての道を歩み始める。第二次世界大戦中には、戦場で兵士たちの心の支えとなったスモーキー (軍用犬としての功績で知られる伝説の犬) のような英雄も誕生した。歴史の波に揉まれながらも、人々の傍らに寄り添い続けてきたのだ。
銀幕のスターたちも彼らの虜となった。名女優オードリー・ヘプバーンは愛犬ミスター・フェイマスを溺愛し、名作映画『昼下がりへの情事』の撮影現場にも連れて行くほどだった。彼女と愛犬が並ぶ写真は、時代を超えたエレガンスの象徴として今なお語り継がれている。