全日本学生テニス選手権大会でタイトルを手にした真の王者たちであっても、リーグ戦という団体戦の重圧は別物だ。「個人の勝ち」がそのまま「チームの勝ち」に結びつかない怖さがここにはある。勝敗の分かれ目となったのは、極限状態におけるベンチワークと緻密なスカウティングだった。
密着取材で見えてきたのは、アナリスト陣による膨大なデータ解析だ。相手のブレイクポイントにおけるサーブコースの偏りや、緊張時のリターン位置の微細な変化をリアルタイムで追跡。コート上の選手はベンチからの指示を即座に戦術へ落とし込み、相手の得意パターンを封じ込めていった。さらに試合前夜、疲労困憊の身体をケアし続けたトレーナーや、声援でコートを支配し続けた部員たちの存在がある。王者が掴み取った勝ち星の裏には、表舞台には映らない部員全員の執念が凝縮されていた。