物語の軸となるのは、健気でしっかり者の高校生・大野ふみと、不器用で無愛想な作家・木曳野暁の同棲生活だ。歳の差、そして立場という名の目に見えない壁。家事全般をこなすふみの健気さと、時に見せる年相応の素顔に、少しずつ心を解かされていく暁の感情変化が絶妙に描かれる。
単なる居候と主人の関係から、お互いにとってかけがえのない存在へと深まっていくプロセス。それは、過剰な演出に頼らない丁寧な日常の描写によって紡がれる。言葉にできない視線の交錯や、ふとした仕草の端々に滲み出る愛おしさ。それこそが、作品全体を包み込む「格差愛」の醍醐味にほかならない。