床入りとは何を指す?初夜との違いや大奥の過酷なしきたりを徹底解説

床入りとは何を指す?初夜との違いや大奥の過酷なしきたりを徹底解説

床入りとは何を指す?初夜との違いや大奥の過酷なしきたりを徹底解説に関する知りたいポイントを初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

武家社会の礼法を体系化した「小笠原流古式礼法」において、床入りは極めて細密なマナーと風習が定められていました。寝所はただ布団を敷くだけの場所ではなく、子孫繁栄と魔除けを祈願する神聖な空間として演出されたのです。 実際の儀式の手順と配置された道具立てには、明確な呪術的・儀礼的意味が込められていました。

  • 床盃(とこさかずき):寝所に入る直前、または寝所内で行われる盃事。三盃の酒を交わし、神前で誓った契りを閨房において再確認する。
  • 手水の儀:「角盥(つのだらい)」と呼ばれる四方に角のある漆塗りの洗面器に水を張り、子孫繁栄と長寿を象徴する「穂長(ほなが)」と、清浄と不変を象徴する「3つの青石(あおいし)」を浸す。新夫婦はこの水で指先を清める。
  • 入床の順序:作法上、必ず「新婦が先、新郎が後」の順で寝床に入ることが鉄則とされた。
  • 室礼(しつらい)の道具:安産を祈る「犬張子(いぬはりこ)」、夫婦和合を象徴する「比翼枕(ひよくまくら)」、夫婦の性愛の起源とされるイザナギ・イザナミの神話にちなむ「鶺鴒台(せきれいだい)」、穢れや悪霊を祓う「守刀(まもりがたな)」、「乱箱(みだればこ)」が厳密に配置された。

このように、江戸時代の床入りは衝動的な情愛の場ではなく、手順を一つでも間違えれば不吉とされるほど格式張った儀式空間でした。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。