山肌を包み込む深い霧の中から突如として姿を現す白い天守。備中松山城の木造天守は、国の重要文化財に指定されている12現存天守の一つだ。戦国時代の山城としての堅固な面影を残しつつ、江戸時代の改築を経た姿が今なお完璧な形で残されている。急峻な岩盤の上に築かれた城壁は、訪問者に自然と人間の知恵の融合を感じさせる。
この城の人気を爆発的に高めた立役者として忘れられないのが、猫城主「さんじゅーろー」の存在だ。豪雨災害の混乱期に城に迷い込み、そのまま名誉城主となった彼(猫)のストーリーは、いまや世界中のメディアで紹介されるほどの社会現象となった。2026年現在も、公式グッズや地域とのコラボレーション企画が次々と展開され、観光客の笑顔を誘う独自の「おもてなし精神」としてしっかりと根付いている。