苦難の道のりだった。右肘の手術という投手にとって大きな試練を乗り越えるため、球団とトレーナー陣が一体となって組み上げた「2026年NPBシーズン一軍復帰プロジェクト」は、科学的アプローチに基づいた徹底的な管理のもとで進められてきた。焦りは禁物。復帰への焦燥感を抑え込み、自らの肉体と徹底的に対話する日々が続いた。
小野郁のリハビリは、単に元の状態へ戻す作業ではなかった。肩肘への負担を軽減しつつ、ボールへ効率よく力を伝える新フォームの模索。日本野球機構の過酷なペナントレースを1年間戦い抜くためのインナーマッスルの強化など、再発防止とパフォーマンス向上の両立を図る緻密なトレーニングが課されたのだった。