「do a barrel roll」というフレーズの直訳は「横転(バレルロール)を行え」という命令形です。この言葉がインターネット・ミームとして定着し、Googleの隠しコマンドに採用された背景には、航空力学の専門用語と1990年代を代表する任天堂のゲームソフトが存在します。
もともとバレルロール(Barrel roll)とは、航空機が進行方向を保ちながら、横軸と縦軸を組み合わせて「樽(バレル)の内側をなぞるように螺旋状に1回転する」アクロバット飛行および空戦機動を指す航空用語です。単にその場で回転するエルロンロールとは異なり、高度と方位を維持しつつ敵機の追尾をかわす高度なマニューバとして知られています。
この専門用語を一躍世界的なポップカルチャーへと押し上げたのが、1997年に任天堂がNINTENDO 64向けに発売した名作フライトシューティングゲーム『スターフォックス64』です。作中で主人公フォックスの頼れる相棒ペッピー・ヘア(Peppy Hare)が、敵の攻撃を回避するテクニックとしてプレイヤーに投げかける象徴的な指示「Do a barrel roll!(ローリングで弾を弾くんだ!)」が英語圏で爆発的なミームとなりました。Googleの開発陣はこのオマージュとして、同作の操作コマンドにちなんだ隠しキーワード「z or r twice(ZまたはRボタンを2回連続入力)」で検索した場合でも同様に画面を一回転させる隠しギミックを組み込んだと伝えられています。