病院の舵取りを担う森野忠夫院長は、急性期医療への特化こそが地方公立病院の生き残り戦略だと力説する。限られた医療スタッフのキャパシティを無制限に広げることはできない。だからこそ、病床の回転率を高め、高度な手術や救命処置を終えた患者を速やかに地域の回復期病床へと送るサイクルの確立を急ぐ。
院内では、医師の負担軽減を狙った医療・ヘルスケア産業の先端技術が次々と実戦投入されている。AIによる画像診断支援や音声入力による電子カルテ記録、タブレットを用いた病棟カンファレンスなど、医療スタッフの手元にはデジタル機器が定着した。森野院長が主導するこの効率化により、医師が直接患者と向き合う濃密な時間が生み出されている。