庄内地方や最上地方など、険しい山々に囲まれた広大な県土を持つ山形において、時間との戦いを制する要がドクターヘリ運航事業だ。屋上に設置されたヘリポートには、県内全域の救急現場から重症患者が分単位で搬送されてくる。フライトドクターとナースが機内で初期治療を開始し、着陸と同時に高度救命救急センターの初療室へ直結する動線は無駄がない。
この空の救急網を地上で支えるのが、緊密な地域医療連携である。広域搬送された患者が急性期を脱した後は、速やかに各地域の協力病院へ逆紹介され、地元でリハビリを継続できる体制が敷かれている。中央病院単独で完結させるのではなく、県内すべての病院がひとつの巨大な病棟として機能するネットワークが強固に張り巡らされている。