ズボンの素材や構造によって、適したアプローチは異なります。生地の厚みやテンションを無視して強引に縫ってしまうと、針が折れたりシルエットが波打ったりする原因になります。
1. スーツ・スラックス(薄手〜中肉ウール混・ポリエステル)
スラックスは生地のドレープ感が重要なため、両脇のはしご縫いに加え、内側の見返し部分を「まつり縫い(流しまつり・奥まつり)」で細かく固定すると、着用時に突っ張らずしなやかなウエストラインがキープできます。アイロンで折り目をあらかじめ押さえておくと作業精度が大幅に向上します。
2. デニム・厚手チノパン(綿100%・ストレッチデニム)
デニムはベルトループ周辺の生地が極めて硬いため、通常の細い縫い針では通りません。「デニム・厚地用の手縫い針(太番手)」と「太口のポリエステル糸」を用意してください。背面のウエストバンド中央(バックヨーク部分)にV字のタックを作り、内側に折り込んで太糸でしっかりと縫い留めるバックタック縫いが効果的です。
3. イージーパンツ・ゴム入りズボン
ウエストにゴム通し口がある場合は、平ゴムを引っ張り出して数センチカットして縫い直すのが確実です。ゴム通し口がないタイプは、ウエスト内側の目立たない位置に1cmほどのリッパー(またはハサミ)で切れ目を入れ、新しいゴムを通して安全ピンで仮止めした上で、最後に入り口をまつり縫いで塞ぐ手法が最も手軽です。