地方都市の幹線道路沿いで圧倒的な存在感を放つ綿半スーパーセンター。店舗に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、一般的なディスカウントストアとは一線を画す本格的な鮮魚コーナーや、地元農家から毎朝届く朝採れ野菜の山です。なぜここまで幅広い世代に愛されているのでしょうか。その最大の秘密は、「日常の食」と「暮らしの道具」を1カ所で完結させるワンストップショッピングの徹底にあります。
綿半ホールディングスが公開している決算説明資料や事業報告を分析すると、綿半はもともと1598年の創業以来、金物や綿の商い、建設事業を手がけてきた老舗企業です。その建設・開発部門が自前で店舗を設計・施工することで、初期出店コストを業界平均より大幅に圧縮しています。この固定費の低さが、販売価格の引き下げ余力につながっています。
さらに、食品売り場のクオリティに対する執念も見逃せません。「ホームセンターのついでに置いてある食品」という従来の固定観念を完全に覆し、専門のバイヤーが全国の漁港や市場から直接仕入れる体制を確立しています。現場の店員に取材を試みると、「生鮮部門のチーフが毎朝のセリや仕入れ状況に応じてその日の目玉商品を即断で決めている」と明かします。本部主導の画一的なチェーン展開ではなく、店舗ごとの現場裁量が強いからこそ、利用者を惹きつけるライブ感のある売り場が生まれています。