果物の歴史を紐解くと、この南国フルーツが世界中を魅了してきた深い背景が見えてくる。
学名をPassiflora edulisと呼び、和名では時計の文字盤のような神秘的な花を咲かせることからクダモノトケイソウ(果物時計草)と名付けられた。中南米原産のこの植物を世界中に広めるきっかけを作ったひとりが、20世紀初頭に世界中を旅したアメリカの伝説的プラントハンター、デビッド・フェアチャイルドである。彼が各地から持ち帰ったエキゾチックな植物群の中に、この類まれな香りを放つ果実が含まれていた。
その後、トロピカルフルーツの代名詞として世界各地に普及。1980年代にはトム・クルーズ主演の映画『カクテル』の空前のブームとともに、華やかで情熱的なトロピカルカクテルやミックスジュースのキーアイテムとして若者文化を彩った。時を経て2026年の今日、単なるポップカルチャーのアイコンから、本物志向の健康飲料へと見事な転身を遂げたのだ。