この歴史的な試みは、アルブラ線世界記録プロジェクトと呼ばれる極密な計画のもとで進行した。世界遺産にも登録されている名門ルート「アルブラ線」は、急勾配と半径の小さい連続カーブ、そして高所にかかる美しい石造りの橋梁群で知られる超難関路線だ。
プロジェクトの成功を裏で支えたのが、スイスの有力鉄道車両メーカーであるシュタッドラー・レール社である。同社が開発した車体構造と最新鋭の電動力分散システムがなければ、この無謀とも思えるプロジェクトは成立しなかった。最先端の交通テクノロジーを結集した車両群は、厳しい自然環境に耐えうる耐久性と、緻密な出力調整能力を備えており、世界の鉄道産業における技術的到達点を鮮烈に証明してみせた。