宮田愛萌が日向坂46からの卒業を発表したのは2022年9月のことでした。人気絶頂期にあったグループからの離脱は多くのファンに衝撃を与えましたが、その背景には「身体的な限界」と「文学への強い志向」という2つの決定的な要因が存在していました。
在籍当時、彼女は激しいダンスパフォーマンスが続くアイドル活動の中で体調を崩し、2020年秋から約半年間の休養を余儀なくされました。復帰後も激しいライブへのフル出演が難しい状況が続いており、当時の公式ブログやインタビューでも「自分の身体と相談しながらの活動」に対する葛藤が滲み出ていました。体力を極限まで削るアイドル活動を継続することへのフィジカルな限界が、第一の契機となったことは間違いありません。
しかし、単なる体調不良による引退で終わらなかった点が宮田愛萌の特異性です。彼女はアイドル活動と並行して國學院大学文学部日本文学科に通い、過密スケジュールの合間を縫って卒業論文を書き上げ、大学を卒業しました。大学では司書資格も取得しており、古代文学や万葉集・短歌の研究に本気で打ち込んできた背景があります。グループ活動に終止符を打ったのは、後ろ向きな撤退ではなく、「生涯をかけて言葉と向き合う」という文学者としての自立を選択した前向きな決断でした。