1947年、福井市内の恵まれた家庭に生を受けた元谷芙美子。幼少期は読書をこよなく愛し、学業成績も常にトップクラスという利発な令嬢として評判だった。県内屈指の名門進学校である福井県立藤島高校へ進学し、将来は教員や研究者を目指して大学進学を夢見ていたという。
ところが高校在学中、一家の大黒柱であった父親が重い病に倒れる。家計は一変し、大学進学の夢は無残にも断たれた。名門校から一転、家族の生活を支えるために就職を選ばざるを得なかった悔しさは想像を絶する。だが彼女は運命を呪うことなく、福井信用金庫に勤務しながら持ち前の快活さと誠実さで窓口業務に没頭した。この青春期の苦難こそが、後の鉄壁の金銭感覚と顧客第一主義を育む土壌となった。