館内に足を踏み入れた瞬間、視界に飛び込んでくるのは圧倒的な開放感だ。今回のリニューアルで最も際立つのは、A館・B館をつなぐ連絡通路周辺やテラススペースの大胆な再構築である。外光をたっぷりと取り込むガラスファサードと、武蔵野の雑木林を想起させる植栽デザインがシームレスに溶け合い、歩くこと自体が心地よい体験へと昇華されている。
日常の延長線上にありながら、どこか非日常の刺激をくれる場所。これこそが、吉祥寺という街が長年培ってきたライフスタイル・タウンカルチャーの真髄だろう。フロアごとに明確なストーリー性を持たせた今回の刷新では、ふらりと立ち寄った地元住民が思わず足を止めるギャラリースペースや、職人の手仕事を間近に感じられるクラフトショップが有機的に配置されている。買い物を急かされるような商業的な圧迫感はどこにもない。