精神医学の分野において、この病態に関する知見は常に更新されている。アメリカ精神医学会が発行する精神疾患の診断・統計マニュアル最新版DSM-5-TRでは、正式名称として自己愛性パーソナリティ障害が定義されている。過剰な称賛への欲求、共感性の欠如、誇大性がその中核に位置する。しかし、この複雑な心理構造は医学書の中だけにとどまらない。
近年、エンターテインメント作品を通じてこの病理への社会的な関心が高まっている。たとえばNetflixで話題を集めた『ダーティ・ジョン: 秘密と嘘』のような作品は、まさにこの問題を鋭く描いた一例だ。臨床心理学・ノンフィクションドラマの架け橋となった同作は、魅力的な人物がターゲットをいかに精神的に侵食し、最終的に周囲を破滅へと追いやるかをリアルに描き出し、世界中で大きな反響を呼んだ。