今回の移籍契約における最大の注目点が、通称「25歳ルール(国際アマチュアフリーエージェント規定)」である。MLBの規約では、25歳未満またはプロ経験6年未満の海外選手を獲得する際、年俸や契約金に厳格な上限が設けられる。これにより、数億ドル規模の超巨額契約を結ぶことは不可能となり、佐々木朗希はマイナー契約からのスタートを余儀なくされる。過去に山本由伸らが結んだ大型契約とは対照的な制約だ。
球団が提示できる契約金は各チームに割り振られた「ハードキャップ(ボーナスプール)」枠内に限定されるため、金銭的な条件だけで球団を選ぶことはできない。つまり、資金力に物を言わせるビッグクラブが絶対的優位に立つわけではないのだ。若くして挑戦を選ぶリスクを受け入れ、金額よりも「育成環境」「医療サポート」「勝利への狙い」を最優先する姿勢こそが、この年俸制限下における契約交渉の神髄となっている。