がんを治癒させるという甘い言葉に騙され、ウェイドが投げ込まれたのは過酷極まりない人体実験組織「ウェポンX」計画の実験室だった。激しい拷問とストレスによって変異遺伝子を強制発現させるプロセスの中で、彼の体にはウルヴァリン由来の超回復能力「ヒーリング・ファクター」が植え付けられた。
だが、その代償は大きすぎた。細胞が驚異的なスピードで再生する一方で、がん細胞もまた死滅することなく超高速で増殖を続ける。結果として、皮膚組織は常にお互いを壊し合い、再生し続ける永久のループに陥った。映画『デッドプール』で描かれたあの重度の火傷痕のような顔面は、全身を苛む激痛と異常な細胞分裂が起こした「終わらない化学反応」の産物なのだ。